太陽光発電 費用の情報源

いずれにしてもこの場合、需要を削減するために結局は経済の縮小は避けられない。 これを回避するために何らかの意味で省エネに通じる経済拡大の手段をとる必要がある。
より高価格の再生可能エネルギー、高効率機器の開発、使用促進に転換するのが最も自然であり、現在炭素税の使途として議論されているところである。 問題は技術進歩や各種の物理的、経済的環境条件を正確に把握して、適正な速度で、かつ配分を行うことが非常に困難なことである。
5温暖化防止の可能性と課題世界のエネルギー消費格差と所得格差本章の課題ははたしてCO2削減は可能かというものであるが、まず将来のエネルギー需要がどの程度必要かというところから議論が必要である。 ここで世界のエネルギー消費の格差、あるいは所得格差をもう一度見直してみる。
データの欠落から所得は九六%、エネルギー消費に関しては九二%の人口のみをカバーしているが趨勢は変わらないと考えられる。 すべてが均等であるときに1995年における世界全体のGINI曲線。
総人口のそれぞれ96%(GNP).92%(エネルギー消費)をカバーしている。 国単位のデータのため国内格差は無視されるので、現実の格エネルギー消費と所得の世界的な格差差はいっそう大きい(一般に所得水準の低い発展途上国の囲内格差はきわめて大きい)が、国内格差は地域問題であると割り切っても世界的に大きな格差があることは自明である。
例えば上位から二0%の人口が八五%の所得を取得するという極端な集中が認められる。 これは世界平均の四倍以上の集中を示すが、このレベルで急激なGNP水準の変化がある。

エネルギー消費はもう少し平等に配られていて三0%の人口が八0%を占める。 その上位三0%の人口の消費量平均は世界平均の二・三倍になるが、その平均値は日本のエネルギー消費水準、ECの平均値などとほぼ同じである(エネルギー消費は正確には所得に比例しないので別途GIN-曲線をとっている)。
エネルギー需要は所得に比べてより物理的な意味をもつので所得ほど格差が出ないものと解釈される。 したがって格差を縮小した場合の影響も所得よりは穏やかなものと期待されるが、それでも世界全体でエネルギー消費を現在の二・三倍に限定するのはそう簡単な話ではない。
いずれのケースでもこれらの曲線には大きな変曲点があって、その付近では人口が一%変化する間に一人当たりの所得、あるいはエネルギー消費水準は世界平均の二倍以上から平均以下まで急激に低下する。 ちなみに所得レベルでは韓国、ポルトガルが世界平均の二倍程度、エネルギー消費では韓国、イタリアあたりが二倍となる。
世界平均レベルの国としてはGNPではメキシコ、ロアチア、エネルギー消費ではウルグアイ、ハンガリーなどが目安となる。 そこで将来の満足すべき、あるいは節約すべきエネルギー消費の基準をこの世界平均の二倍程度と考えるとこれは現在の二倍のレベルのエネルギー消費を示し、特に人口が二倍に増加した場合は大ざっぱにいって全体で四倍のエネルギー消費増が見込まれることを示している。
実際にIPCCなどのBAU2552∞BEE-アクションを何もとらず現在の趨勢が延長した場合、シナリオは各種の複雑な前提があるが、結論的に人口二倍、エネルギー消費増五倍程度を見込んでいる。 これはいわばエネルギーサービス需要増ともいうもので、いかにしてこれを満たしつつそのCO2排出を固定、あるいはより積極的に大気中CO2濃度を固定(そのためには現在の発生量の三分の一、二GtC(ギガトン・炭素)に下げることが必要といわれる)するかといった問題になる。
このため、すなわち人口二倍、工ネルギー消費増二倍でしかもCO2発生量三一分の一に削減するためにはエネルギー当たりのCO2排出原単位を一二分の一にするといった画期的な削減が必要である。 現実には所得格差が残ってこれより少ない消費量で落ち着く可能性も高いが、これは純粋に仮定の問題であり、そのような仮定自体が世界的には物議をかもすのでその辺の推定は論理的な議論で詰められるというものでもない。
本質的な解決の道を探る。 しかし、化石燃料利用を前提とすると、上記のようなドラスティックなCO2発生原単位の削減は不可能であろう。
またそれ以上に増大する需要に永久に対応することは資源量の観点からも無理であって本質的な解決を考える必要がある。 いかにして持続的なエネルギーに転換するかが本質的な解決の道であり、前述のようにコストや化石燃料との競争が問題にならなければ物理的には存在すると考えられているが、これを実現する技術オプションはきわめて限られており、経済的問題だけでなく技術的にも実施上も多くの問題がある。
すでに述べたように現在のエネルギー消費は太陽エネルギーの0・一%、効率や可能性を考えるとこれはすでに二%に達しており、これが五倍に増加すると一0%にもなる。 前述のバイオマスの問題、特に農地との競合の問題からすべてをバイオマスに依存することはほとんど不可能であろうが、可能なかぎりこれを利用せざるをえないのは明白である。

将来の農地需要の見通しによってその数値には極端に幅があるが、現時点の妥当な利用可能面積としては一五0―二00万と見積もられており、食料残渣などを含めたバイオマスエネルギーとしては全体でせいぜい一00―三00EJ程度と試算されている。 これは最も楽観的にみても将来の全エネルギー需要の二五%程度に過ぎず、残り七五%を確保する必要がある。
しかも必ずしも自然環境に優しいというものでもない。 まさに植生を転換するものであるから現存の森林の利用については十分な注意が必要である。
荒野の植林、砂漠地の植林など、従来植生が破壊されたところから新たに起こすか、温暖化防止のむずかしさあるいはよほど慎重に持続可能なエネルギー・プランテーシヨンを実現する必要がある。 これらについてはまだ残された研究課題が多い。
これに対してPV(太陽光発電)は変換効率がバイオマスの一0倍程度(電力変換までを考えるとさらにその三倍)までの改善が期待されており、全陸地面積の一%(0・三%)で将来の全エネルギー需要を供給可能である。 しかも農業との競合が少ないが、反面で現状では多量の資源消費、初期投資が必要となる。
この場合にはあくまでもエネルギー収支がどの程度まで改善されるかが最大の問題であって、これも現在の推定どおり、一0倍程度まで改善されればPV製造のための資源消費増加も実現可能な範囲におさまり、化石燃料が枯渇する状況に至ってほかに代替手段がなければ不可能ではないと考えられる。 もう一つの手段である原子力は、核融合は当面無理でも燃料サイクルの確立でFBR(高速増殖炉)等の燃料リサイクルが可能となればかなりの供給能力が期待される。
ただしこれも技術的課題以上に政治的、制度的な整備が必要であって国情、その他の環境に依存するところが多い。 特に自然エネルギーに比べてエネルギー発生密度が極度に高い点に特徴があり、人口過密なアジアの大都市部のエネルギー需要を満たすためには今後いっそう必要性が増す可能性が高い。

他方でこの特性は同時に安全の問題や社会的受容性の問題を惹起するので、より安全かつ説得力のある燃料サイクル管理や廃棄物最終処理技術、システムの確立と評価が要請される。

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